おもちゃの選び方について、子供が生まれてから悩んでいました。
おもちゃは必要なのか?
どんなおもちゃがいいのか?
与えるタイミングは?
数が多すぎてはダメ?
おもちゃ屋さんに行っても、ネットで調べても、おもちゃがありすぎてよくわかりませんでした。
積み木で遊ばせてあげたいなぁと思っていたのですが、種類がありすぎて…
1,000円くらいのものから、数万円するものまで。
違いはなんなんだ!
と悩んでいた時に見つけたのが藤田篤著『子育てを感動にするおもちゃと絵本』でした。
藤田さんは「おもちゃと絵本のカルテット」というお店を経営されている方。
おもちゃと絵本に関しての講演や研修を積極的に行われているそうです。
自分の子供達、幼稚園、保育所でおもちゃと絵本でどのように子供達が育つのか研究してきたそうです。
この本は
・安全なおもちゃの選び方
・おもちゃと絵本を与える時期と種類
・子供との向き合い方
・おもちゃと絵本が子供に与える影響
などについて、藤田さんの経験、研究に基づいて書かれています。
わかりやすい言葉で、とても読みやすく、子育て中の方に知っていただきたいことがたくさん!
この本の魅力を章ごとにご紹介したいと思います。
1、子供にとって絶対的に必要なもの
精神分析家のエリクソンや乳幼児精神医学の研究者であるロバート・エムディらの研究をもとに、子供にとって絶対的に必要なもののお話です。
わたしが特に気になったのが、エムディの研究。
エムディの研究によると、非行や犯罪を犯した子どもたちは、ほぼすべてこの時期、振り返ったときに存在するべき大人がいなかったというのです。
はいはいする時期の赤ちゃんは何かを見つけて近づいた時、必ず後ろにいる保護者を振り返るそうです。
振り返って目を見て、触っていいのか悪いのか親の気持ちを感じ取るそう。
「見守られている安心感」の中で「感受性が形作られていく」そうです。
なるほどなぁと思いました。
子どもは大人に見て欲しがりますよね。
安心感を赤ちゃんの時期にたっぷり感じて育った子は、「見守ってくれている」ことをいつまでも信じて巣立っていくことができるのではないでしょうか。
最近はスマホに夢中で、子供が振り返ったときに見ていない親が多いそうです。
自分も気をつけようと思いました。
2、子どもは遊ばなければ成長できない
ロシアの言語学者、ヴィゴツキーの言葉を紹介されています。
「遊びとは、子どもたちが、自分の能力の最近接領域の獲得のために活動するものなのだ」
藤田さんは「最近接領域」を赤ちゃんの成長段階に例えて説明されています。
寝返り→はいはい→伝い歩き→数歩歩ける→しっかり歩ける
このように少しずつ次の段階へというのが「最近接領域」だそう。
子どもは「遊び」を通して自ら成長していくのだそうです。
赤ちゃんが少しずつ成長するためにおすすめのおもちゃが紹介されています。
わが家にある、ニック社のあひるちゃんが紹介されていて、うれしくなりました。
3、自然の法則を身につける積木遊び
わたしが一番気になっていた項目です。
積木についての疑問が解けてすっきりしました。
積木で遊ぶときに踏む段階
よい積木
積木の与え方
を丁寧に説明してくださっています。
この項で、購入する積木を決めました。
まずは、Worldwide kids stage3のおもちゃ、ネフスピールで遊んでみようと思います。
ネフスピールはこの本でもよい積み木として紹介されています。
まだstage3は届いていないので、娘と遊ぶのが楽しみです。
4、ドイツのおもちゃの魅力
ドイツのおもちゃはなぜ安全で魅力的なのかを紹介した章です。
マイスター制度、日本にも取り入れてほしいなと思いました。
1920年代から、ドイツは、ものづくりについて独特な文化をきづいていくことになります。ドイツでは工業技術の発達を偏重させることなく、人間の手の技で作っていくことを廃れさせてはいけないということに重きをおいたのです。
日本にはすばらしい技術がたくさんあるのに、おもちゃ屋さんには安心して子供に渡せる日本製のおもちゃが少ないように感じます。
カラフルで目を引くだけの安価なおもちゃはたくさんありますが。
日本の職人さんたちなら、ドイツに負けない安全でよいおもちゃを作ることができると思うのですが、このままでは日本の技術が失われてしまうのではないかと心配です。
ドイツではマイスター(職人)は国家資格を持っていて、伝統的なおもちゃを作るとともに、今も改善し続けているそうです。
5、遊びは飛び級ができない
子どもは何歳でもどんなおもちゃでも楽しめるわけではありません。
その年齢に合ったおもちゃを与えなければ遊ばないし、集中できないのだそうです。
子供が「遊びに夢中になる」のは、「知的活動を行っている」こと。
子供が主体的に遊ぶことができるおもちゃが必要なのだそう。
十二か月の赤ちゃんなら、三十秒おもちゃに夢中になれる集中力があれば十分です。二歳なら、五分集中できれば十分です。楽しくて知的な遊びで、それだけの時間夢中になれる集中力があって、それから先もちょうどよいおもちゃが与え続けられれば、その時間は五分から十分、二十分と延びていきます。そして、小学校に入る頃には、四十五分、五十分の授業に集中できるだけの集中力は育っていくのです。
最初から大人と同じ時間集中できるわけではなく、少しずつ少しずつ延びていく。
それを適切なおもちゃを与えて見守ってあげてくださいと藤田さんは言います。
この章では叩くおもちゃを紹介されています。
「わがままの消え方に注意」というお話も興味深いです。
6、道具を使ったごっこ遊び
ここでは、お人形遊び、おままごとなどのごっこ遊びについて書かれています。
適切な人形の選び方、おままごと道具の選び方など参考になることばかりです。
女の子であっても男の子であっても、お人形遊び、おままごと、ごっこ遊びをさせてあげることで、お世話や職業の擬似体験ができ、それを楽しむ心が作られていくのだそうです。
7、子どもの育ちとおもちゃ
子どもは「らせん状」に成長する、子どもは「バネ」のように育つ、と藤田さんはおっしゃっています。
子どもに色々なおもちゃの選択肢を与えてあげる、甘えてきたら甘えさせてあげることが必要なのだなとすんなり理解できました。
「一人で遊ぶようになるためには、まず、一緒に遊んであげることに限る」
肝に銘じます。
8、ドイツのゲームで真剣勝負
ドイツではカードゲームやボードゲームがたくさんあって、子どもでも大人でも、友達や家族でたくさん遊んでいるそうです。
楽しそうなアナログゲームがいくつか紹介されています。
わたしたち夫婦もアナログゲームが好きなので、いつか娘と遊ぶのが楽しみです。
友人とアナログゲームで遊んでいると時間を忘れて夢中になります(笑)
おばあさんになっても友人とゲームで遊べたら幸せだなぁと思っています。
9、赤ちゃんからお年寄りまで
木のおもちゃで遊ぶのは「一生」であると藤田さんはおっしゃっています。
遊び終わったおもちゃもすべてしまいこんでしまわずに出してあげておいてほしいと。
おもちゃで遊んだ暖かい思い出をおもちゃを見て思い出すことで、心が癒されるのだそう。
そして、丁寧に作られたおもちゃは自分の子どもに受け継ぐことができます。
お年寄りになったっておもちゃで遊んでいい。
よいおもちゃは大人になってもずっと楽しめるものなのだそうです。
10、絵本を読み聞かせること
絵本を読むのにテクニックはいらないそうです。
淡々と書いてあることを読む、それだけで子どもの心に届くのだそう。
この章を読んで、それでいいのだと安心しました。
11、赤ちゃんの最初の絵本
赤ちゃんに読むのにぴったりな絵本を紹介してくれています。
12、絵本とのつきあい方
子どもに質問しない
絵本でしつけはしない
と藤田さんは書いていらっしゃいます。
ついついやってしまいがちじゃありませんか?
大人が子どもの成長に前のめりだと、子どもが自分で発見して成長していく喜びを奪ってしまうそうです。
大人はただ絵本を読んであげるだけ。
子どもが自分の体験と絵本とを自分の中でつなげていくことを見守っていきたいと思いました。
13、昔話は本物を読む
最近は残酷だからと結末をかえてしまっている絵本も多いですよね。
残酷でちょっと怖いお話でもそのまま読んであげたほうがいいそうです。
信頼している大人と一緒に、悪いことをした人がこらしめられる、そういうファンタジーを読むことで悪いことをしてはいけないというけじめと、悪には罰が与えられるという安心感を持つことができるのだそうです。
わが家でも「昔話は本物を読む」ことにしようと思います。
14、一冊の絵本から広がる世界
絵本は「読み聞かせる」もの。
字を教えるものではないと書かれていました。
絵本は絵を見て、耳で聞いて、想像力を膨らませて楽しむもの。
子どもがいくつだって、読んであげたらいいそうです。
絵本であたたかい記憶を与えることの大切さを語っていらっしゃいます。
『子育てを感動にるすおもちゃと絵本』を読んで
それぞれの章のほんの一部をご紹介しました。
まだまだ知って欲しいことがたくさん書かれています。
比較的薄い本ですが、子ども、おもちゃ、絵本のことが盛りだくさんです。
この本のおかげで、おもちゃや絵本を選ぶ指針ができました。
子どもと一緒に、おもちゃと絵本を楽しもうと思います。
出産前の方、子育て中の方、保育士さんなど、子供と関わる方にぜひ読んでいただきたい本です。
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